株式投資の市場動向
2022.01.09
001_金融資産の日米欧比較

Introduction

 過去10年、日米欧の中で、最も家計の金融資産における株式構成比が拡大したのは、日本です。今、日本では、NISAやiDeCoといった投資に係る税優遇策、老後2,000万円問題を受けた将来不安、スマホ証券の台頭による利便性向上、日経平均株価の上昇等を機に、若年層を中心に個人の株式投資が拡大期を迎えております。その日本に居ながらにして、株式投資に目を向けないことは、人生におけるリスクではないでしょうか?一方、株式投資はリスクが高く手が出ない、といった見方があることも事実だと思います。(そして、定期預金や債券等の他の金融商品と比較して相対的にリスクが高いのは事実です。)まだ間に合う内に、株式投資について知りたい、キャッチアップしたい。そんな方に向けて。本ブログでは、株式投資の市場動向や基本的な銘柄選定の考え方、株式調査のプロである株式アナリストの視点や業界事業・ノウハウ等を、投稿していきます。

キーワード:家計の金融資産構成比、アベノミクス、量的質的金融緩和

1.日本が証券投資後進国と言われる所以は?

 以下の、家計の金融資産構成の日米欧比較を見てください。

図表:日米欧の家計の金融資産構成比(21年3月末時点

出所:日本銀行調査統計局「資金循環の日米欧比較」よりIshare作成

参考URL:資金循環の日米欧比較 (boj.or.jp)

 有価証券(=株式等+投資信託+債券として定義)の構成比は、日本の15.7%に対し、米国55.2%、ユーロエリア29.6%。株式等の構成比は、日本の10.0%に対し、米国37.8%、ユーロエリア18.2%と水をあけられています。この事実が、日本が証券投資後進国と言われる所以です。

2.本当に日本の株式投資は拡大しているのか?

 先程見た日米欧の家計の金融資産構成比、次は時系列で見てみましょう。

図表:日米欧の家計の金融資産に占める有価証券の構成比の推移

出所:日本銀行調査統計局「資金循環の日米欧比較」よりIshare作成

参考URL:資金循環の日米欧比較 (boj.or.jp)

 第2次安倍内閣成立(12年12月)、量的質的金融緩和の実施発表(13年4月)の直前にあたる12年と21年統計を比較すると、有価証券の構成比は、米国が1.1ppt(%ポイント)増の55.2%、ユーロエリアが1.0ppt増の29.6%なのに対し、日本は2.8ppt増の15.7%まで拡大しております。増加率に置きなおすと、米国2.0%増、ユーロエリア3.5%増に対し、日本は21.7%増加しております。また、内訳を見ると、拡大を牽引しているのは債券でも投資信託でもなく、株式だと分かります。

Implication

 以上より、

  • 日本の家計の金融資産における株式投資比率は依然低位
    ⇒ 米欧に対して拡大余地が大きい
  • 日本の株式投資は米欧と比較して拡大基調にある
    ⇒ 一般的に株式投資が普及してきている

ことがお分かり頂けたかと思います。

 次回は、「個人株主数の成長率と普及率」と題して、個人投資家の株式投資動向に注目します。

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