Introduction
52.2%、これは20~30代の個人投資家の株式売買注文全体に占めるスマートフォンの利用比率です。近年急増している若年個人投資家は、PC・タブレット(同33.9%)以上に、株式売買にスマートフォンを用いています。株式投資の手段は、店頭から始まり、90年代後半にネット証券が台頭しましたが、今まさにスマホ証券の台頭期を迎えております。
キーワード:株式売買の注文方法、スマホ証券、単元未満株
1.個人投資家は、どのような手段で株式投資しているのか?
以下の、年齢別の主な株式売買の注文方法(構成比)を見てください。
図表:年齢別の主な株式売買の注文方法(21年7月調査)
注釈:標本数5,000人のインターネット調査に基づきます。詳細は出所及び参考URLを参照下さい。また、その他には持株会や金融商品仲介業者経由の取引を含みます。
出所:日本証券業協会「個人投資家の証券投資に関する意識調査について」よりIshare作成
参考URL:2021kozinntousika2.pdf (jsda.or.jp)
個人投資家全体では、PC・タブレットを用いた注文が全体の58.8%と最も多く、次いでスマートフォン(19.2%)、店頭(16.6%)となっております。ただし、年齢別では若年層のスマートフォン比率が高く、逆に高齢層は店頭が多いです。時系列でも確認してみましょう。
図表:スマートフォンを用いた売買注文の構成比の推移
注釈:標本数5,000人のインターネット調査に基づきます。詳細は出所及び参考URLを参照下さい。
出所:日本証券業協会「個人投資家の証券投資に関する意識調査について」よりIshare作成
参考URL:2021kozinntousika2.pdf (jsda.or.jp)
2.なぜ、スマートフォンを用いた売買が急増しているのか?
結論から言うと、近年、専業のスマホ証券が相次いで台頭し、株式投資のハードルが低下したことが主因と言えそうです。
図表:主なスマホ証券のサービス開始時期と口座数
注釈:サービス開始時期は正式に取引機能をリリースした時期を基準としており、βテスト期間や別機能のサービス提供期間を除いております。
出所:各社HP資料よりishare作成
スマホ証券は、16年6月のPayPay証券(旧One Tap BUY)のサービス開始を皮切りに、18年以降サービスリリースが相次いでおります。最低単元未満から可能な少額投資、T-POINTやdPOINTを用いた投資、手数料無料(条件有)、等を実現し、株式投資のハードルが低下したことがポイントです。(各スマホ証券のサービス比較サイトは既に多くありますので、本稿では割愛します。)40歳以下の個人投資家は約150万人ですので、サービス開始2年余りで100万口座のLINE証券や、60万口座のSBIネオモバイル証券の勢いは、目を見張るものがあります。
Implication
以上より、
- 若年投資家の約半数はスマートフォンで株式売買している
⇒ いつでもどこでも売買できる環境がある - 複数のスマホ証券がサービスリリースし規模拡大している
⇒ 自身の投資スタンスにあった取引手段を確保できる
ことがお分かり頂けたかと思います。
次回は、”個人投資家の株式投資スタンス”について、注目します。