Introduction
日本には、約1,400万人の個人投資家がいます。全人口の10%強です。株式投資をまだ始められていない方は、”意外と多い”と思われたのではないでしょうか。いったい誰が株式投資をしているのか、現状と今後を見通すことで、”今、動かないと置いていかれる”との危機意識を抱いて頂ければと思います。
キーワード:年齢別個人株主数、老後2000万円問題、スマホ証券、証券保管振替機構
1.現状、誰が株式投資をしているのか?
以下の、年齢別の個人株主数(シェア)を見てください。
図表:年齢別個人株主数(20年6~12月時点)
注釈:株主数は、20年6~12月の6ヵ月の期間に決算期日又は中間決算期日が到来した銘柄について、それらの銘柄の株主を銘柄横断的に名寄せした結果の数値です。また、年齢不詳の株主約240万人を除く数値であり、総計が1,400万人と一致しません。
出所:証券保管振替機構「各商品の属性別保有状況等」資料よりIshare作成
参考URL:統計情報一覧(過去分)|証券保管振替機構 (jasdec.com)
個人投資家のうち、40歳以上の方が1,000万人以上で、全体の9割弱を占めております。年齢別人口一人当たりの株主数(=普及率)も見てみましょう。
図表:年齢別株式投資普及率(20年6~12月時点)
注釈:各年6~12月の株主数を分子、各年10月時点の人口を分母に普及率を算出しております。
出所:証券保管振替機構「各商品の属性別保有状況等」、国立社会保障・人口問題研究所「日本の将来推計人口」資料よりIshare作成
参考URL:将来推計人口・世帯数 | 国立社会保障・人口問題研究所 (ipss.go.jp)
若年層の株式投資普及率は低位で、現在の株式投資市場は中高年層が牽引していると言えます。では、若年層は株式投資に取り組むことを真剣に考えなくていいのでしょうか?
2.今後、誰が株式投資を積極化していくのか?
先程見た年齢別の個人株主数、次は時系列でその伸びを見てみましょう。
図表:年齢別個人株主数の増加率(19→20年)
注釈:19年6~12月、及び20年6~12月の銘柄横断的な名寄せ数値を参照しております。
出所:証券保管振替機構「各商品の属性別保有状況等」資料よりIshare作成
参考URL:統計情報一覧(過去分)|証券保管振替機構 (jasdec.com)
若年層の個人投資家は直近1年で15%今日、20~30歳の層に関しては約40%も拡大しております。”老後2000万円問題”から若年層の資産形成に対する意識が高まり、また”スマホ証券”の台頭から手軽に株式投資を始められるようになった事が一因と考えられます。今後も、若年層の新規市場参入は相次ぐ可能性が高いでしょう。
Implication
以上より、
- 現状、日本には約1,400万人の個人投資家がいる
⇒ 意外と個人投資家は周りにいる - 足元、若年層の個人投資家が急増している
⇒ 若年層も資産形成のための株式投資を積極化している
ことがお分かり頂けたかと思います。
次回は、”株式投資手段の多様化”と題して、スマホ証券の動向に注目します。